
カリフォルニア州を代表するジャポニカ米「カルローズ」
「カルローズ」とは、カリフォルニアのバラという意味の名前を持つ、カリフォルニア州オリジナルの中粒種です。短粒種に比べて長くて大きい、ジャポニカ系のおコメで、カリフォルニア州で最も多く栽培されています。日本のおコメである短粒種とタイ米等で知られる長粒種の中間にあたり、双方の優れた点を持ち合わせ、軽い食感とアルデンテとも言える歯ごたえが特長です。
アメリカをはじめ海外では、ヘルシーなライスメニューという位置づけで、サラダやスープなどに利用されてきました。世界でも良く知られたおコメで、アジア料理から地中海料理、西欧料理まで、幅広い料理に活用されています。
豊かな栽培環境
カリフォルニアのコメ栽培地は、越冬する水鳥の60%近くのエサ場となり、野生生物が田んぼを踏み歩くことで、稲わらの分解を助け、豊かな土壌づくりの手助けにもなっています。
サステイナブルな、自然にやさしいコメづくり
カリフォルニア州サクラメントバレーで収穫されるカリフォルニア米が注目されるのには、大きな理由があります。
それは自然環境にやさしい農法をめざし、サステイナビリティ(=持続できること)を実現していることです。最少必要量の農薬使用、水資源や大気汚染への徹底的な配慮、太陽光発電の利用などは全米のモデルケースとされています。
その取組みのひとつをご紹介すると、過去15年間で収穫後の焼き畑を75%まで減らし、大気汚染防止に大きく貢献。ひと昔前は刈取り後に田んぼに残る稲株を焼いていましたが、現在は田んぼにそのまま残したり、細かくして土中に埋めたりしています。また稲ワラを建材や畜産飼料などに使うリサイクルも推進しています。
カルローズの生産工程

1. 農地の準備
3月になると、生産者はレーザー誘導の整地機械を使って平らな圃場をつくります。これは貴重な水資源を無駄にしないためです。肥料をまいて、浅い畝間をつくり、4月には種まきの準備が整います。

2. 湛水と種まき
農地に水を5インチ(12.5cm)の深さまで流し込みます。水の深さを均一に保つことは、稲の植物としての能力を上げるので、雑草に対しても強くなり、除草剤の使用量を下げることにつながります。コメの種子は、水に浸したのち、飛行機に積み込み、空中から種まきを行います。重たい種子はていねいに土づくりをした畝の中に自然に沈み、生育を開始します。

3. 生育
ここから4~5ヵ月が稲の生育期です。生育の初期には、雑草への対応として除草剤を1、2度使用します。稲の成長は約3フィート(90cm)になるまでは早く進み、夏の終わりには、長くなってきた稲穂の上部に実が入りはじめます。9月までには、稲穂も成熟し収穫を待つ状態になります。

4. 収穫
収穫をはじめる前に農地から水を抜き、農地が乾いたら、最新式の刈取り機を入れます。バンクアウトワゴンと呼ばれる特別なトラクターを、刈取り機に並走させ、刈取りと同時にトレイラーにコメを移します。このようにして刈取り機が積荷のために止まることなく、効率よく刈取りが行われています。

5. 精米と保管
コメを理想的な水分値になるまで注意深く乾燥し、保管します。精米工場ではもみ殻を取り除き、玄米、そして白米にします。選別、パッケージングなどを経て、最高品質基準に見合うアメリカ米が生産されます。カリフォルニアの精米工場には、ソーラーシステムを導入して精米所が使用する全電力を太陽光でまかなうところもあり、世界でも最も進化した技術が取り入れられています。